浅草四方八方噺(よもやまばなし)<第5回>松井天遊|月刊浅草ウェブ

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浅草21世紀」が劇団として「第37回松尾芸能賞」の研修助成賞を受賞した。昨年の第36回では木馬亭の根岸京子さんが功労賞を受賞しており、2年続きのおめでたとなった。
3月29日(2016年)午後6時から帝国ホテル・富士の間で贈呈式と祝賀会が行われた。浅草21世紀の座員・関係者も出席する中、大上こうじ座長が壇上で表彰状を受けとった。謝辞は「いま桜は五分咲きですが、このような栄誉をいただき、お笑い浅草21世紀は満開です」。

3月の木馬亭では季節柄、やはり桜の話を枕にした。
世の中に絶えて桜のなかりせば春の心はのどけからまし(在原業平)
たしかに桜の花というのは、人の心を騒がせるというか、浮き立たせるものがある。陽気も寒い冬から暖かい春へと移る季節でもあり、嬉しい気持にさせるからであろう。
渥美清さん扮する寅さんの世界は、そんな浮き立つ花見や祭りをバックに啖呵売を繰りひろげる。真っ先に手を挙げて「買った」と呼ぶのを「サクラ」という。しかしそのサクラがなぜか買わない。これを河津(買わず)桜という。
遠くの山で咲いている桜は「遠山桜」である。

>次ページ「では、赤い信号のときは、なんという虫が飛んでいったか?

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