浅草四方八方噺(よもやまばなし)<第5回>松井天遊|月刊浅草ウェブ

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健康に関するテーマは生活習慣病について。日本生活習慣病予防協会(池田義雄理事長)は「一無、二少、三多」を提唱している。生活習慣病はかつて「成人病」と呼ばれていた。「食習慣、運動習慣、休養、喫煙、飲酒等の習が、その発症、進行に関与する疾患群」と定義づけられている。一無は喫煙、二少は少食、少酒、三多は多動、多休、多接のことである。
タバコにはニコチン、タール、一酸化炭素があり、血管を傷つけたり、発がんに作用する。また副流煙は周囲の人にも悪影響を与える。百害あって一利なしなのだから禁煙が望ましい。どうしても止められないという人は一日20本までと節煙すること。
満腹になるまで食べないで、腹八分、あるいは腹七分にする。肥満の防止となり、健康体を維持できる。血糖・脂質・血圧をコントロールできるし、各種消化器官の疾患やがんの予防にもつながる。
「酒は百薬の長」といわれているが、飲酒過多は体によくない。肝臓や腎臓に負担をかけるし、死亡リスクを高めるもととなる。
モーゼの十戒といわれるが、お釈迦様は五戒である。①殺しちゃいけない②盗んじゃいけない③嘘をついてはいけない④お酒を飲み過ぎないように⑤女色に溺れてはいけない。「山びこ学校」で有名な無着成恭先生は日蓮宗のお坊さんで、この五戒を紹介するとき①〜③は同じだが、④と⑤をひとまとめにして伝えている。「酒と女は2合(号)まで」。
多動は、とにかく動きなさいということ。じっと家の中にひきこもっていたり、閉じこもっていてはいけないのである。運動するのが一番いいのだが、それができない、嫌だという人は散歩でも草むしりでも、なんでもいいから体を動かしなさいということである。
そして多くの人や物や事柄に接しなさいというのが、多接である。趣味でもボランティアでも、いろんな接し方があるはずである。コミュニケーションが大切である。
多動と多接に心がけたら、多休が大事になってくる。十分な休養をとること。それには良質の睡眠をとるのが一番である。
9,500人の人間ドックの成績と、一無、二少、三多との関係を統計学的に比較・検討した調査結果がある。実行数が多ければ多いほど、BMI(体格指数)、体脂肪、血糖、血液、脂質、尿酸、血圧等の数値が、健康的であるとの結論が出ている。

最後に現在ただいまの皆さん方の健康状態を調べてみた。池田先生が慈恵医大病院にいらした折に作られた10項目である。該当していると思われたら指を折ってもらった。

①お腹いっぱい食べないと気がすまない
②1日の喫煙本数は20本以上
③1週間の睡眠時間は40時間以内
④20歳代に比べて体重が6㎏以上増えている
⑤酔っぱらうまで飲むことが多い
⑥その気になっての運動時間なし
⑦家族揃っての団らんは週3回以下
⑧家系に高血圧、心臓病、脳卒中あり
⑨高血圧といわれたことがある。
⑩人間ドックの経験なし。

これをある所でやったところ、終った途端に10点満点だといった人がいる。該当する項目が3までの人は青信号、4〜7の人は黄色の信号、8以上あったら赤信号なので、すぐ病院へ行くこと。

信号にかかわるクイズ。青い信号のときに青い鳥がバタバタバタと飛んでいった。黄色の信号のときに黄色い蝶々がヒラヒラヒラと飛んでいった。では赤い信号のときは、なんという虫が飛んでいったか?
答えは「信号ムシ」。

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