あさくさ交遊録<第12回>稲川實|月刊浅草ウェブ

「ヨソ者とはいえ、戦前からずうっと浅草底辺部に生きてきて、277票とはナサケない。それも野坂さんとか永さんとかの人気者に応援してもらったのに、この程度ではまったく面目ない。と、舞台に上った高揚感醒めやらず、役者の素質のな […]

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あさくさ交遊録<第11回>稲川實|月刊浅草ウェブ

第一回の立候補に際し、有権者に送り付けられた公認葉書が、数葉遺されているので、ぜひご披露させていただきたい。(写真参照) 「さまざまに移ろいゆく世のならいなれど隅田に映す月の影さえ心なし汚臭をにじませて、今僅かに残るは、 […]

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つれづれの記<第12回>田中けんじ|月刊浅草ウェブ

額に汗して〝エッチラホッチラ〟リヤカーの絵瓶が揺れている。街頭に絵を描いて十五年、アーチやサインポール、シャッター壁画と百枚近くになっている。「何んのため?」勿論食わんがため、まして絵が好き、そして生きる実感達成の一時( […]

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猿若三座〈第6回〉絹川正巳|月刊浅草ウェブ

七段目の「お軽」を扱った小唄をひとつ。 〽吊灯篭の明かりに照らし、読む長文を二階から、余所の恋よと延鏡、かざすはずみに顔と顔間男があるなら添わしてやろうせめて三日と手を取って、九ツ梯子かるがると身請けされる […]

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