岡本文弥(新内節太夫)の名随筆「気まま黄表紙」<第7回>|月刊浅草ウェブ

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○季節外れ

入梅前というのに近所の路地に黄菊が咲いている。明治生れの私は菊というと11月3に日の天長節を思い出すのですが近頃は文明のお陰というのか食べ物でも草花でもみんな季節外れ、ふぜい風流地に落ちやしたと文明を軽蔑したり呪ったり。ところが、季節外れは今に始まったことではない・・・らしく、式亭三馬の『浮世風呂』に「何事も気の早いことさ、納豆を見なせえ、わしらは冬でなくては食わねえもんだと心得てるに、近頃は8月の初めから納豆汁だ」「お江戸に産れた有がたいことには年中自由が足りる」「書物にせよ、魚類にせよ、四季ともにこれ一ト品無いとというものがござりませぬ」「おあしさえ出せば一切用を足すところゆえ」と、つまり江戸に住む金持ちなら季節外れのもの、いつでも手に入るという、文化文政ころのお話ですが、さて、学問テキにはどう解釈されますのやら。

>次ページ「○紙治あれこれ、○ある日の演奏愚悪なり、○セリフだの合方だの」

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