浅草こども歌舞伎は、地元の方々の尽力で現代に甦った、浅草にとって大切な芸能。中村雀右衛門さんも顧問としてバックアップしてくれています。そういうところに着目する発想は、とてもいいと思いますね。
それは私も、いい案だと思います。
ネックになっているのは、人口が段々少なくなって、GWも夏休みも、子供たちに地元の行事になかなか参加してもらえないことなんですよね。
人口はね、浅草地区だけに限定していえば、意外にも増えているんですよ。平成7年には8万人だったのが、現在は11万人を超えていますから。だから、やりようによっては可能だと思いますよ。
盛り上がってきたところですが、(笑)そろそろ、次の話題へ。
兼ねてより、浅草には本格的な資料館が必要だとの声があります。先ほどの芸どころの話にも通じる部分がありますが、これだけの歴史がある街なのに、それを調べたり、感じたりできる場所がないというのはあまりにも残念です。どうせ作るならちょこっと見て終わり、というようなちゃちなものじゃなくて、半日、丸一日とじっくり腰を据えて過ごせるような、そこへ行けば浅草の全てが解るというくらいの内容の濃いものをぜひとも区の協力のもとに作ってゆけたらと思うのですが。
過去を振り返る必要はないけど、 本 当の意味で、浅草の人たちがこれまで精魂込めて街づくりに取り組んできた証としてもね。皆さんのご意見はいかがですか?
私の中では、この資料館なら絶対に当たるぞという考えがあって、それはやっぱり、六区ブロードウェイに芸能専門の資料館ですよ!エノケンをはじめとする錚々たる芸能人がここで育っているんですから。場所にしたって、六区スクエアなり、おまいりまち奥の広い2階なり、相応しいところが空いていますから。
ああ、ホントだ!おまいりまち奥は、エノケンのカジノフォーリーで有名な水族館発祥の地だし、六区スクエアは、オペラ館の跡。みんな繋がりがあるんだ…これはきっと、当たりますね!
織田:えぇ、単なる人寄せというレベルじゃなくね、長い時間をゆったり過ごせるようなしっかりしたものがなんらかの形で出来ればいいって、事実、私もそう思いますよ。
とにかく、本格的な資料館の設置は、先人たちの悲願でもありますから。昔は実現しなかったけど、今なら、という想いがあります。
◆座談会はますますヒートアップし、この後も今後に繋がる貴重な意見が、様々に飛び交いました。
【後編】では、浅草ならではの伝統・特性を活かした商品開発の必要性や屋形船を利用した斬新なイベント、はたまたインターネット時代に則した「月刊浅草」web版の発足など、老若男女の心に響く魅力的な街づくりのアイディアについて、より深く掘り下げてゆきますので、どうぞお楽しみに!