聖天様で配る大根には霊力が宿 っている。おでんの具の大根には、いろいろな具の出し汁がしみこんでいる。そこで次のような句を詠んだ人がいる。
願かけて大根透くまで炊きにけり
筆者は「浅草待乳山聖天」を折り込んだ雑俳を詠んだ。
浅からぬ縁結び合う
草の根を分けても探す幸せを
待つ甲斐があつて甘露の日和あり
乳呑児の百歳ねがい初詣
山を越えまた山を越えお浄土へ
聖徳の御訓守り和を保つ
天までも昇る勢い心地よく
11月の木馬亭では「骨粗鬆症」について話した。世界中では3秒に一人、患者が発生している。日本では200万人が治療を受けているが、自覚症状があまりないので、1千万人は未受診だろうとされている。
骨がスカスカになって脆くなる病気で、背中が張ったり痛む、背が縮んだ気がする、背中が壁にピ ッタリつかないとなったら要注意である。学会では「骨強度の低下を特長とし、骨折のリスクが増大しやすくなる疾患」と定義づけている。
骨粗鬆症になりやすい人がいる。閉経後の女性、小柄でやせている人、運動しない、牛乳や乳製品をあまりとらない、家族に骨粗鬆症がいる、ステロイド剤をのんでいる。生活習慣病がある、喫煙・多量の飲酒。
骨強度が低下するメカニズムは、骨密度と骨質(材料・構造)の劣化であり、その原因はエストロゲンの減少、加齢、力学的負荷の変化、生活習慣病である。つまりこれらによって骨芽細胞と破骨細胞の働きのバランスが崩れてしまうからである。
骨折しやすい個所は、背骨、足のつけ根、腕のつけ根、手首であり、繰り返すようにもなる。身体機能にも当然影響が出てくる。背がまるくなり、胸部・腹部に負担がかかる、スタイルが悪くなる、洋服を着こなせなくなる、外出を控えるようになる、杖を使わないと歩けなくなる、腰が痛くて重い物を持てない、食欲がわかない。
大事な栄養素は骨の構成に必要なカルシウム、それを吸収促進させるビタミンD、さらに吸着させるビタミンKである。予防法は運動、食事、日光浴。治療薬は三種類ある。①破骨細胞の働きを抑制する②骨芽細胞の働きを強める③ 骨の代謝バランスを整えるである。
実際にあった話。TBSラジオの「こども電話相談室」にある日、小学3年生の男の子から「大人のせいについて」の質問がきた。回答者は緊張して譲り合っていたが、生放送である。回答する先生が決まってその男の子が質問した。「子供のせいは伸びるのに、大人のせいはなぜ伸びないのですか」。回答者一同ダアーッとなってしまった。
シルバー川柳である。
起きたけど寝るまでとくに用がない
立ち上がり用を忘れてまた座る
わが女房昔妖精今妖怪
誕生日ローソク吹いて立ちくらみ
(松井天遊)