「べんがら」和の魅力を再認識。俳優の楽屋から飲食店まで引く手あまたの暖簾(のれん)専門店<第7回>まい子のぶらり散歩|月刊浅草ウェブ

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べんがら

 国内外のお客様に共通して人気なのは、筆目のかすれも美しいシンプルなZEN(禅)デザイン「円相」と、拗ねたように後ろを向き、表情が読めないゆえに想像力をかきたてられる寝姿の「スネねこ」。日本独特の染めの手法から生じる微妙な個体差の美を外国の方が感じ取ってくれることや、文化の違いを問わず共通する感性があるということは、とても嬉しい発見でした。

のれんの他にもうひとつ力を入れているのは、高品質かつリーズナブルな和小物。例えば、和服地から作った可愛らしい小袋。着物であれば手が届かないような高価な素材でも、小物に仕立てることで数百円から楽しんで頂けます。
 
のれん専門店として益々の充実を図ること、そして伝統の小物を独自の視点で展開してゆくことが、今後の課題であり、夢なのだそうです。  

「浅草に来れば、和の商品はなんでも揃うね。」
お客様との会話の中で、よく耳にする言葉です。そんな期待を胸に足を運んで下さる方々に満足していただけるよう、一店一店が特色ある専門店として看板に磨きをかけ、切磋琢磨してゆくことが、結果的に浅草の活性化にも繋がると考えています。

かつてヨーロッパで出逢った感動を、今では石塚さん自身が浅草から発信しているのですね。べんがらで和の魅力に目覚めた誰かが今度は第ニの石塚さんとなり…そんな風に日本伝統のデザインが、風のように自然に次の世代に引き継がれていったら、素敵だなって思います。

(「月刊浅草」編集人 高橋まい子)

※追記:「べんがら」は2020年、惜しまれつつ閉店いたしました。

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