第11回「林家正雀(はやしやしょうじゃく)~落語家~」
今回は、 古典落語とともに創作落語にも力を注ぎ、また、歌舞伎などの芝居を題材とした「芝居噺」の第一人者としても知られる林家正雀師匠にお話を伺って来ました。
昭和26年、山梨県大月市生まれ。幼い頃よりおばあさまの義太夫を寝物語に育ち、ラジオから流れてくる落語や講談、芝居中継などに胸をときめかせながら、のびのびと成長した純朴な少年でした。
特に印象に残っているのが、三遊亭金馬師匠(3代目)のラジオ寄席。声色と口調だけで何役も演じ分けてしまう明快な落語の面白さにすっかり魅了され、小学2年のバス旅行ではマイクを乗っ取って落語を披露した記憶が。高学年になると、NHK教育テレビで夏休みに放送されていた「お化けの貞山」こと講談師・一龍斎貞山師匠(7代目)の怪談の虜に。怖い怖いと思いながらも夢中で覚え、友達を集めて聴かせたものの結局怖がっていたのは当の本人だけだった、なんていう可愛いらしいエピソードも。また、ラジオの芝居中継も大好きで、アナウンサーの解説に耳をそばだて、わくわくしながら想像の翼を拡げてみたり。 そんな、子供時代に興味を持ち、心に刻み込まれた楽しい記憶の数々が、のちの人生に大いに活かされる事となるのです。
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