狭い町なみの廂間(ひあわい)から十二階凌雲閣がうす墨いろに見えていたが、初夏の日長の暮色はまだ明るく、それらしい町なみへはいって行ったが、ひっそりとしていて声をかけてくる者もない。時間が早いからであろうと路次をぬけで観音 […]

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