ヨッ!待ってましたッ!!と溢れんばかりの声で叫びたい。まさにそんなおめでたいニュースが飛び込んできた。浅草ビューホテル別館「六区」が、3月18日(土)に開業するのだ。
今回は、浅草ビューホテル別館「六区」の総支配人、浅野良太さんにお話を伺うことができた。浅野さんは、人間が大好きでホテル業に就いた。浅草へやってきたのは今から34年前。以来、浅草ビューホテル(本館)で、浅草の街と共に生きてきた。当時の浅草は、衰退の一途を辿っており、多くのお店は夕方にはシャッターが閉まった。転換期は東京スカイツリーの完成だったが、新型コロナウィルスの蔓延で再び苦境に立たされた。本来2020年5月に開業予定だった浅草ビューホテル別館「六区」は、3年間の開業延期を余儀なくされた。浅野さんが、浅草の皆さんに開業に際してのご挨拶へ伺った時には、たくさんの「待ってたよ」という温かいお言葉をいただき、大変有難かったという。浅草は人間味溢れる街。ロボットにはできない浅草のおもてなしがある。一人一人のお客様に寄り添いたい。
今月オープンする浅草ビューホテル別館は、かつて日本一の興行街だった「浅草六区」というエリアにちなんで「六区」と名付けられた。場所は、浅草六区の北側で、六区ブロードウェイ通りと花やしきエンターテイメント通りが交わる角地に位置する。浅草をよく知っている皆さんには、かつて浅草中映劇場という映画館があった場所だと言った方が分かりやすいかもしれない。建物のデザインは、「芸能の街・浅草」を意識して、芝居小屋風に造られている。吉野檜の木組みであしらった和モダンなエントランスやレストランフロアは、とても洗練されていて居心地がいい。照明デザインは、ノートルダム寺院やエッフェル塔の照明も担当している石井リーサ明理氏によるもので、シーズンに合わせて外壁を照らすライトアップが変化する。
客室は、スタンダード、モデレート、デラックス、コンセプトの4種類のタイプがあり、計199室だ。
スタンダード以外は畳敷きで、よりリラックスして浅草を満喫してもらいたいという計らいだ。
コンセプトルームには、浅草や歌舞伎、江戸などのコンセプトに沿った内装が施されていて面白い。10階プレミアムラウンジでは、宿泊客限定で、浅草の景色を眺めながら浅草の銘菓と飲み物をお楽しみいただく予定だ。
浅草ビューホテル別館「六区」は、「文化発信・文化体験の拠点」をコンセプトに、さまざまな体験ができることが大きな魅力だ。大きく分けて、文化体験、視覚体験、味覚体験の三つの体験ができる。旧歌舞伎座から移築した檜舞台を設置したレストランフロアでは、年間を通して、浅草花街の芸者踊りや、サイレント映画に語りをつける活弁、和楽器の演奏、サイレントフィルムの上映などが催される。また、浅草の食文化をたっぷり詰め込んだ朝食として、「浅草バーガー(仮称)」やオリジナルのフレンチトースト、和食御膳の開発も、順調に進んでいる。浅草ビューホテル本館が38年かけて培ってきたノウハウを活かし、お客様一人一人に合わせた旅行をサポートする。あとは開業を待つばかり…。
浅草に宿泊する観光客が増えれば、街の活性化にも繋がる。今年1月16日から開始された宿泊予約状況によれば、7割が外国からのお客様だという。海外からの注目度も非常に高い。この新しい浅草のランドマークに期待したい。
浅草駅から徒歩2分 | 浅草ビューホテル アネックス 六区 (viewhotels.co.jp)
【筆者紹介】
活弁士・麻生子八咫(あそうこやた):父麻生八咫に弟子入りし、10歳の時に浅草木馬亭で活弁士としてデビュー。
活弁は、サイレント映画に語りをつけるライブパフォーマンスです。どうぞよろしくお願いします。
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