「竜小太郎」芸に滲み出る人柄も魅力。浅草が生んだ大衆演劇界の星!<第28回>まい子のぶらり散歩。

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第28回「竜小太郎(りゅう・こたろう)~俳優~」

今回は、浅草が生んだ大衆演劇界のスーパースター・竜小太郎さん。主演舞台千秋楽の楽屋へお邪魔し、貴重なお時間を頂戴してのインタビューとなりました。
めまぐるしい忙しさの中嫌な顔ひとつせず、終始笑顔で応えて下さった小太郎さん。穏やかなお人柄に、緊張も解けてゆきました。

4歳で日舞を始め7歳で大衆演劇界入り、10歳で初代・浪花のチビ玉を襲名し、大ブレイク!
現在は〝流し目のスナイパー〟として大人気。舞台で放つ圧倒的な色気と、楽屋裏での少年のように無邪気な笑顔。スナイパーとチビ玉くんとが同居する、不思議な魅力。
そしてもうひとつ、とても印象的だったのは、言葉の優しさ、温かさ。小太郎さんが多くの方から愛されている理由が、とてもよく解ります。

年齢を重ねるごとに役柄の幅も演じることの楽しさも拡がり、今、役者として脂が乗っている時だと実感しているそうです。
〈お兄さん〉と慕う大先輩、梅沢富美男さんから後継者として指名されたことについては、こんな風に感じています。
「ある意味、とても畏(こわ)いです。けれど、またある側面では、互いに良きライバル関係。尊敬して止まない方ではあるけれど、僕は〝梅沢富美男〟になりたいんじゃない。僕は僕として、お兄さんの時代を勉強させて頂きながら、〝今の竜小太郎〟をあみ出してゆきたいんです。今のこの時代の寒さの中で闘ってゆくんだという使命感を、強く感じています。」
 
最近梅沢さんに、「君も、育てる立場に来たんだよ。」とのお言葉を頂いたそうです。人を育てるということは、自分自身をも育てるということ。演じ、育て、育てられ...そんな風に、先輩から受け継いだ伝統を守り、後輩がもたらす新しい風も取り込んで、大衆演劇という文化の火を大切に灯しながら、益々発展させゆきたい。それが、小太郎さんのこれからの夢なのだそうです。

取材の帰り道、黄昏時の六区を歩いてみたくなりました。
小太郎さんのおっしゃるように、昼間のあの賑わいを夕刻へ、そして夜へ繋げてゆきたいと、切に思います。だって日が落ちてからのこの街もまた、本当に魅力的で、心高鳴る場所なのですもの...!

※情報は、取材当時(2014年12月)のものです。

 

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