第12回「あみ清(あみせい)~屋形船~」
雷門からほど近く、スカイツリーを仰ぎ見る吾妻橋のたもと。晴天の空の下、気持ちよさそうに風流な屋形舟がゆらり、ゆらり。
吾妻橋の屋形舟といえば、「あみ清」。豊かな江戸町人文化の象徴、舟遊びの伝統を今に伝え、時代に寄り添いながら五代に渡り愛され続けてきた、浅草を代表する船宿です。
四代目にあたる鈴木哲夫さんは、一時衰退していた屋形舟の復活と河川での人命救助に尽力し、現在のあみ清の基礎を築いた方。『商いは人柄』のお言葉そのまんま、人情味あふれるちゃきちゃきの江戸っ子です。
そしてそのお父様の教えを受け継ぐ五代目が、長男・誠さん。姉の朋子さん、妹の美奈子さんと力を合わせて伝統の屋形舟文化を守るその姿は、さしずめ現代版「三本の矢(毛利三兄弟)」といったところでしょうか。
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