こやたの見たり聞いたり<第1回>月刊浅草ウェブ

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【祝・浅草公会堂リニューアルオープン!浅草公会堂はどうかわったのか!】

浅草は、愛すべき芸能の街である。
全国各地に観光地はあるが、芸能がこれほど定着している土地はない。今も浅草には、多数の劇場や演芸場が存在する。浅草演芸ホール、浅草東洋館、浅草木馬亭、浅草木馬館、ミレニアムホール、九劇、花やしき、リトルシアター・・・これらの劇場・演芸場は、さまざまな芸能を生み出し、多くの芸能者たちを支えている。

劇場や演芸場だけではない。浅草のお店屋さんも芸能が大好きで、お店の中にステージや芸能を楽しむ空間を持っていたりする。老舗の女将さんが「え?オペラ歌手?日本舞踊?南京玉すだれ!?」と、いつも驚きと発見が絶えない。そして、そんなバイタリティ溢れる浅草の人々に、我々は元気をもらうのである。

さて、そんな浅草に、新年早々おめでたいニュースが飛び込んできた。
浅草公会堂が、約1年の大規模改修工事を終えてリニューアルオープンしたのである。1977年の開館以来、浅草公会堂は台東区の一番大きな劇場として地域を盛り上げる重要な役割を担ってきた。

多くの読者の皆さんが気になっているのは、改修工事によって何がどのように変わったのかということだろう。今回、台東区役所の職員さんにお話を伺うことができた。

浅草公会堂は過去2回改修工事を行なったが、今回は史上最大規模のものであったという。工事の目的は、老朽化対策、地震対策、福祉の観点からの見直し、コストダウンや地球環境に配慮した設備強化であった。

まず来場者の目に入るのは、浅草公会堂のトレードマークである赤い絨毯と赤い座席シートだろう。絨毯は全て張り替え、座席も新装した。窓から陽の光が差し込むと、絨毯の赤色が反射して壁や天井が幻想的に赤く染まるらしい。催し物を楽しむだけでなく、劇場空間をも楽しめる、そんな浅草公会堂へと生まれ変わった。

館内照明は全てLEDに変えた。全体が飛躍的に明るくなった上、環境にも優しく、さらに大幅なコストダウンが見込まれる。各所に人感センサーを設置し、人がいない時には消灯できるようになった。

そして、館内のすべてのお手洗いが新しくなった。1階のお手洗いは、以前まで暗くて狭く和式中心だったので、利用者からは「改善してほしい」という声が多かった。その声に応え、明るい洋式のお手洗いに生まれ変わった。女性用だけでなく男性用お手洗いにもベビーチェアやベビーベッドを設置し、子育て需要にも応えた。ほかにも1階に授乳スペースや休憩室、喫煙ブースも設けた。エレベーターも丸ごと新しくなり、より使いやすくなった。

出演者に朗報なのは、楽屋の各化粧台に「女優ミラー」が設置され、ゴージャスに変貌を遂げたことだ。本番前の神聖なひとときをより快適に過ごせるように、そんな劇場側からの配慮を感じる。ピアノもオーバーホールして音が格段に良くなった。大掛かりな天井工事が行われたので、舞台環境の変化も気になるところだが、音響検査やその他設備の確認テストが行われ、改修工事前と変わらない品質の高さが保証されている。

劇場は、心を育てる場である。
劇場は、人々が心を通わせ、絆を形成する場である。

ぜひ劇場へ足を運び、劇場ならではの臨場感を体験してほしい。各種イベントの情報は浅草公会堂のホームページにて。台東区立浅草公会堂 (asakusa-koukaidou.net)

2022年1月28日・29日には、浅草公会堂で「ASAKUSA大衆芸能フェスティバル」が開催される。筆者も28日(金)午後5時半開演の回に出演し、活弁を披露する予定。

本記事のオーディオブックはこちら

【筆者自己紹介】
本号より新たに連載をさせていただくことになりました活弁士の麻生子八咫(あそうこやた)と申します。
10歳の時に、浅草木馬亭で活弁士としてデビューさせていただいてから、丸25年が経ちました。
活弁は、サイレント映画に語りをつけるライブパフォーマンスです。
今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。

※写真の転載を固く禁じます。

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